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映画『アンチポルノ』レビュー:ロマンでもポルノでもないけど熟女萌えに目覚める(かもしれない)社会派・アート系映画

「10分に1回の濡れ場が代名詞、あの伝説のレーベルが再起動。5人の映画監督が撮りおろす五人五色の極私的エロス、続々公開!」という触れ込み*1に惹かれて、日活の『ロマンポルノ・リブート・プロジェクト』の映画を観に行ってきました!
女性だって、たったいちどきりの人生ですから、一度ぐらいポルノ映画というものを観てみたいですからね!

(一応、表向きには、映画ファンのおじさんと話すと時々「日活ロマンポルノ」の話題が出てくるので、教養として観に行ったという理由付けをすることにしています。)

さて、このプロジェクトでは5本の映画が制作されています。
でも、わたしが気が付いたときには3作目までの公開が近場では終わっていたので、4作目の『アンチポルノ』http://www.nikkatsu-romanporno.com/reboot/antiporno/)にしたんですが……


この映画、ロマンでもないしポルノでもないじゃん( ´,_ゝ`)


ラブロマンスは欠片もないですし、オカズ(隠語)として使うのは到底不可能な映画でした。
よく考えれば、タイトルが“アンチ”ポルノなんですから当たり前ですね。
ジャンルとしては社会派映画、またはアート系映画になるかと思います。

俳優さんたちの発声が劇団っぽいこともあって、演劇を見ている気分になりました。
本来は演劇でやりたかったものを、映像でなければ使えない演出効果(※後述)があるから映画にしました、という感じ。
中盤まではつまらないと感じるかもしれませんが、途中から面白くなるので寝ないように!!

特に女性のかたは客層が気になるかもしれませんので、参考までにわたしが行った回の情報を。
土曜日のお昼の回、新宿武蔵野館では、7-8割がオジサンでしたが、若い男性や女性の2人連れ、カップル(自分たちのことですがw)もいました。
特に、女性の2人連れは2組も発見。ロマンポルノ・リブート・プロジェクトが女性にも注目されていることがうかがえます。




以下ネタバレを含む感想です!





 * * *





XVIDEOではいつも"schoolgirl"で検索し、"milf"とタイトルに入っているものは絶対に避ける要するにロリコンのわたしですが、
このたびついに熟女に目覚めました。

典子(筒井真理子)さん、すごい。

途中までは本当につまらなかったんですよ。
わたしはロマンポルノを見に来たのであって、気の触れた女(京子)の一人語りとかババァ(典子)のレズシーンとか流血シーンとか見たくて来たんじゃねぇんだよ! と。
でも、「はいカットー!」の声がかかり、典子が豹変したところで、文字通り目が覚めました。

京子の言う通り「しけたおばさん」そのものだった典子があんな人になるなんて……。
演技って本当にすごいです。


その後で振り返ってみると、典子さん(←さん付け必須)の裸の美しさにも気付くんですよね。
京子よりおっぱいが垂れてはいるものの、端正で、まろやかな美しさ。


この国の女はみんな、「年をとると美しくなくなる」という恐怖に囚われていると思います。
昨年末に大ヒットしたドラマ、『逃げ恥』 こと『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の最終回でも、石田ゆり子演じるキャラクターのこんなセリフが話題になったんですよね。

「自分の若さに価値を見いだしているのね
 私が むなしさを感じることがあるとすれば
 あなたと同じように感じている女性が
 この国には たくさんいるということ
 今 あなたが価値がないと切り捨てたものは
 この先 あなたが向かっていく未来でもあるのよ
 自分がバカにしていたものに自分がなる
 それって つらいんじゃないかな?
 私達の周りにはね たくさんの呪いがあるの
 あなたが感じているのも その一つ
 自分に呪いをかけないで
 そんな恐ろしい呪いからは さっさと逃げてしまいなさい」

わたしも例外ではなく。
女性として若さを失うことをどうしても恐れてしまっていました。
好きなピンクの服が着られなくなるとか、声が低くガラガラになるとか。


でも、典子さんの裸体の美しさや豹変後の迫力は、年を取らないと引き出せない女の魅力というものがあるのだと実感させてくれたんです。
自分の将来にも希望と決意を持てました。それだけでもこの映画を観て良かったと思います。


そして、オカズとしての熟女にも興味を……げふんげふん




最も印象に残った台詞は、「この国の女は自由に苦しめられている」の長台詞ですね。

一回目に京子がしゃべっていたときは、舞台のうえで女優が滔々としゃべる台詞を客席から眺めている気分で、「なるほど、これが監督の言いたいことなんだろうなぁ」と客観的に見ていました。
夫は、「酔っ払って呂律の回らないオッサンが駅前で『この国の女は~!!』と演説しているのを横目で見ている気分だった」とたとえていました。

でも、二回目の典子さんのときは、背筋がぞくっとしたんです。
とても客観的に観察する余裕なんてなかった。
自分の心を覗かれてえぐられている感じまでしました。
妙齢*2の女の色気。




最後にCoccoファンとしての余談をふたつ。


ひとつめ。
この映画、Coccoさん主演の映画『KOTOKO』に似ている部分が多いなぁとも感じました。
気が触れている女性主人公、暴力シーンの多用、現実と虚構の混在。

イッちゃってる女っぷりはCoccoさんのほうがリアルで迫力があります。
でも、『アンチポルノ』の京子は監督や典子にどやされるような下手な演技をしているという設定だから仕方ないのでしょうね。


ふたつめ。
終盤のペンキをぶちまけるところは、CoccoのPVを思い出しました(『Rainbow』、『花柄』)。
他の歌手のPVでも使われているのを見たことがありますが、現代アートで流行ってるんでしょうか?
ちなみに、このペンキぶちまけシーンが、本レビューの最初に書いた「映像でなければ使えない演出効果」のことです。
(演劇には詳しくないので、もしかしたらそういう劇もあるかもしれないんですが、その場合は舞台の後片付けをどうするんでしょう?)




*1
公式ツイッターアカウントのプロフィール(https://twitter.com/romanporno_w)より

ロマンポルノ・リブート・プロジェクト:女
@romanporno_w
10分に1回の濡れ場が代名詞、あの伝説のレーベルが再起動。『ロマンポルノ・リブート・プロジェクト』公式Twitter。当アカウントでは女性視点からツイートします。男性視点からのツイートはこちら @romanporno_m 5人の映画監督が撮りおろす五人五色の極私的エロス、続々公開!
nikkatsu-romanporno.com/reboot/
2016年10月に登録
誕生日 1971年




*2
「妙齢」とは本来はうら若い女性について用いる言葉です。
でも、最近は熟女に対して使うことも多く、わたしはそちらのほうがしっくりくるので、熟女という意味で使っています。

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